台風がまっすぐ進まずに右へ曲がるのは?
日本列島に向ってよく台風がやってきます。なぜ右に曲がるのでしょう?台風がまっすぐ進まずに右へ曲がるのは、地球の自転による「コリオリの力」が関係しています。地球は西から東へと自転しており、そのため北半球では進行方向に対して右に力が働きます。これは、たとえば飛行機が長距離を飛ぶときに目的地よりも右にずれるのと同じような現象です。
また、今回の台風10号について、最初は東海や四国などに接近すると予想されていましたが、情報が更新されるたびに進路は徐々に西寄りに変わってきました。これは、台風を動かす周辺の風が弱まったことが影響しています。そのため、台風の進路が一定せず、予報円も大きくなっています。
特に今回の進路変化には、「寒冷渦」と呼ばれる寒気を伴った風の循環が関係しています。当初、台風は太平洋高気圧の縁を沿うように北上していましたが、この寒冷渦の影響で西寄りに進みました。その後、寒冷渦の影響が弱まるとともに、周囲の風も弱くなり、台風が偏西風に乗るかどうかの予測が難しくなっています。
気象庁によれば、このように進路が不安定になる理由は、台風を動かす力が弱まると、台風自体が偏西風の流れに乗るかどうかが予測しづらくなるためです。この状況では、台風の進路が予想外の方向に変わることもあります。
なかなか進まない台風、九州はもちろんのこと四国や近畿、東海だけでなく関東でも大雨になる可能性があるため、厳重な警戒が必要です。
台風10号2024なぜ西寄りに 進路予想 難しい理由は 影響長引く可能性も
台風10号について台風のメカニズムに詳しい専門家は、進路は従来の予想より西寄りになったとしても大量の水蒸気が流れ込むため、中心から離れた地域でも大雨になる可能性があるとして厳重な警戒が必要だと指摘しています。台風の特徴や進路の予測が難しい理由やなどをまとめました。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/010/80/