約3年ぶり!赤銅色に染まる皆既月食を見よう
2025年9月8日(月)、日本全国で約3年ぶりとなる皆既月食が見られます。前回は2022年11月、次に同じように日本で皆既月食を楽しめるのは2026年3月です。これは、夜空に広がる宇宙のドラマを間近で感じられる貴重なチャンスです。
今回の月食は深夜から明け方にかけて進行します。部分食は1時27分頃に始まり、皆既食は2時30分から3時53分まで続きます。食の最大は3時12分頃。部分食の終わりは4時57分頃で、月は元の満月の姿に戻ります。日本のどこからでも観察可能ですが、空のひらけた西の低空を見渡せる場所がベストです。
皆既月食で月が赤銅色に見えるのは、地球の大気を通った太陽光の影響です。青い光は散乱され、赤い光だけが月を照らすため、幻想的な「ブラッドムーン」が現れます。宇宙の静かな光景は、まるで夜空が描く赤い絵画のようで、人々の心をそっと揺さぶります。
観察のポイントは、暑さ寒さと虫刺され対策をしっかりすること、屋外で広く空を見渡せる場所を選ぶこと。望遠鏡や双眼鏡があれば、月の模様や色の変化をより鮮明に楽しめます。
さらに楽しむコツとして、観察しながら月の色の変化を記録してみるのもおすすめです。欠け始めから赤くなるまでの変化を時間ごとに記録し、最初は黄色がかった色から徐々に赤く変わる過程をじっくり眺めると、宇宙の不思議さをより実感できます。
また、家族や友人と「月食観察ノート」を作り、時間ごとにスケッチやメモを残すのも楽しい体験になります。
写真撮影の簡単テクニックとしては、三脚を使いスマホやカメラを固定することが基本です。シャッタースピードは少し長めに設定すると、赤く輝く月をきれいに写せます。望遠鏡や双眼鏡にスマホをあてて撮影する「直焦点撮影」も簡単で、月の模様まで撮影可能です。
真夜中に赤銅色に染まる月を眺めながら、地球という宇宙船に乗って同じ光を受ける月とのつながりを感じるひととき。宇宙の広がりと神秘を身近に感じる、この特別な夜をぜひ楽しんでみてください。9月8日の早朝ですので、お間違いなく!
国立天文台ライブカメラ https://www.nao.ac.jp/livecam/
