白露(はくろ)—朝露に秋を感じる頃のこと、それでも残る夏の名残
今日は二十四節気のひとつ「白露(はくろ)」です。今年は9月7日ごろから始まり、暦の上では秋が深まり始める時期とされています。白露とは、夜の間に冷えた空気に触れて草花に宿る露のことを指し、夏の暑さが和らぎ、朝晩にひんやりとした空気を感じられるようになる目安です。
昔から人々は、この白く光る露を見て秋の訪れを知り、自然の移ろいを感じてきました。特に田畑では稲穂が頭を垂れ始め、秋の実りを待ち望む時期でもあります。
しかし、実際に私たちが体感している気候はどうでしょうか。ここ数年は残暑が厳しく、昼間は真夏のような暑さが続く日も少なくありません。冷房がまだ欠かせず、「秋」という言葉とは裏腹に、体感的には夏の終わりというよりも“夏の延長戦”といった印象を受ける方も多いでしょう。とはいえ、早朝や夕方に吹く風や、虫の声、そして夜空に輝く月には、確かに秋らしさが漂い始めています。
白露の頃は、一日の寒暖差が大きくなり、体調を崩しやすい季節でもあります。朝晩は羽織るものを用意したり、寝冷えを防いだりする工夫が必要です。暦と体感とのギャップを楽しみながら、季節の移ろいを無理なく取り入れていきたいですね。
今晩、夜中過ぎには皆既月食も見ることが出来そうですので、併せて夜の気温や風、虫の音などを楽しんでみてはいかがでしょうか。

朝露と白露の違い
朝露(あさつゆ)とは
朝露は、実際に自然界で見られる現象そのもので、夜間の放射冷却によって草木や地面に結露した水滴を指します。空気中の水蒸気が冷やされて露点を越え、液体となって草花などに付着したものです。
白露(はくろ)とは
一方、白露は二十四節気の一つで、暦の上での季節区分を意味します。毎年だいたい9月7日ごろから秋分の前日(今年は9月7日~22日頃)までにあたる時期です。この節気の名前「白露」は、涼しい夜に降りた朝露が朝日に照らされて白くきらきらと輝く美しい光景に由来しています。つまり、「白露」はこのような光景が見られる時期を指す暦上の名称なのです。
心豊かになる名称で、とても風流ですね。