小春日和を楽しむ。ポカポカ陽気がくれる、晩秋の小さな贈り物
11月に入り、季節が行ったり来たりしている中で、本格的な冬の気配を感じる今日この頃ですね。そのような中でも、澄み切った青空にまるで春のように暖かな日差しの、ときどき訪れるこの穏やかな晴天を、「小春日和(こはるびより)」と呼びます。この言葉を聞くだけでも、気持ちがほっこりしてきます。
この美しい言葉には、どのような意味や由来があるのでしょうか。小春日和を心ゆくまで楽しむためのヒントと合わせてご紹介します。
🌸 「小春」っていつ? なぜ春と呼ぶの?
「小春日和」という言葉を聞いて、「春の穏やかな日差し」を想像する方もいるかもしれませんが、この言葉が指すのは主に晩秋から初冬にかけての時期です。
1. 小春(こはる)とは
- 旧暦では、10月を「小春」と呼んでいました。
- 現在の暦(新暦)に当てはめると、およそ11月上旬から12月上旬頃にあたります。
2. 由来
この時期は、本来なら冷たい季節風が吹き始めますが、移動性高気圧に覆われるなどして、一時的に春のように暖かく、穏やかな天候になることがあります。
暦の上で冬に入っても、ポカポカとした陽気が戻ってくる様子を、人々は季節の巡りにちなんで「小さい春(小春)」と表現しました。つまり、季節は冬でも、気候だけが春のような状態を指す、情緒豊かな言葉なのです。
🧣 小春日和の特徴と見分け方
単に「暖かい日」ではなく、「小春日和」と呼べる日には、いくつかの特徴があります。
- 時期: 晩秋から初冬にかけて(11月〜12月上旬)。
- 天候: 風が穏やかで、湿度が低く、空気が澄んでいる。
- 温度: 日中の気温が比較的高く、体感的に暖かい。
ただし、注意したいのは、この「小春日和」は日中限定であること。日が落ちると一気に気温が下がり、放射冷却によって厳しい冷え込みとなることが多いです。油断せずに、脱ぎ着しやすい上着で体温調節をしましょう。
🍂 小春日和を贅沢に楽しむヒント
せっかくの小さな春。この心地よい陽気を逃さず、心と体をリフレッシュしましょう。
1. 散策と日光浴でリフレッシュ
- 紅葉の残り香を楽しむ: 最後の赤や黄色の葉が、太陽の光に透けて輝く姿は格別です。
- 庭やベランダで読書: 室内から出て、温かい飲み物片手に読書をすれば、気分転換に最適です。
- 冬支度のための換気・洗濯: 空気が乾燥し、日差しも強いので、布団干しや大物の洗濯をする絶好のチャンスです。
2. 季語を楽しむ
「小春日和」は俳句の世界では晩秋の季語とされています。散策しながら、自分だけの「小春」の句を詠んでみるのも趣があります。
このポカポカとした暖かさが、本格的な冬への準備期間。貴重な暖かさをありがたく感じながら、本格的な忙しさの迫る師走前の、心穏やかなひと時を過ごしたいですね。


