秋の彼岸

今日は秋の彼岸の最終日です。
彼岸とは、春分・秋分の日を中日として前後3日間、計7日間にわたって行われる仏教に由来する行事です。仏教の「悟りの境地」を意味するサンスクリット語「パーラミター(波羅蜜多)」から来ており、煩悩に満ちた現世「此岸(しがん)」から、悟りの世界である浄土「彼岸(ひがん)」へ至ることを目指す期間です。日本独自の文化と仏教が結びつき、春分と秋分の日にご先祖様を供養し、感謝の気持ちを伝える大切な期間となっています。

お彼岸のイラスト

「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざにもあるように、だいぶ暑さも和らいで、朝晩には涼しく感じられて、虫の鳴き声に秋を感じることもありますね。
また彼岸花が咲き誇る頃でもあり、その鮮やかな色は、彼岸の象徴として多くの地域で親しまれています。

彼岸花は、学名を「Lycoris radiata(リコリス・ラディアタ)」といい、ヒガンバナ科の多年草です。秋分の頃に突如として真紅の花を咲かせるその姿は、まるで炎のように田畑や墓地の縁を染め上げる。花が咲くときには葉がなく、花が終わった後に葉が出るという独特の生態から、「葉と花が出会わない悲恋の花」とも呼ばれています。

この花には多くの別名が存在します。「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」は、仏教の経典に登場する天上の花で、「吉兆が現れると天から降る」とされる聖なる花です。一方で、「死人花」「地獄花」「捨て子花」など、不吉さを連想させる呼び名も多くあります。これは、彼岸花が墓地や田畑の畔に植えられてきた背景に由来します。全草に毒を持つ彼岸花は、かつて土葬が主流だった時代に、動物による掘り返しを防ぐための防護植物として利用されていました。また、魔除けの意味も込められていたとされています。

彼岸花をみると、ちょっと寂しく感じるのもこのような理由があるかもしれないですね。
彼岸が終わると、季節は本格的な秋へと移り変わります。実りの秋、読書の秋、芸術の秋——それぞれの秋を楽しみながら、心豊かな日々を過ごしていきたいですね。

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