言葉で振り返る2025年、「新語・流行語大賞」に見る今どきの世相

🏆 新語・流行語大賞ってなに?

毎年のようにニュースで耳にする「ユーキャン新語・流行語大賞」。今年も11月5日(水)にノミネート発表がありましたね。
実はこの賞、もう40年以上も続く“ことばの年表”のような存在です。

はじまりは 1984年(昭和59年)
出版社「自由国民社」が、その年に生まれたり話題になった言葉を選び、「その年の世相を映す鏡」として紹介したのがきっかけでした。

毎年刊行される『現代用語の基礎知識』という辞典に掲載される数多くの言葉の中から、その年を象徴する“ヒットワード”が選ばれます。
1980年代は「新語部門」「流行語部門」に分かれていましたが、90年代からは「年間大賞」という形になり、ニュースや日常会話でよく耳にした言葉が注目されるようになりました。

「言葉の流行」は、ファッションや音楽と同じように、人々の関心や社会の空気をそのまま映し出すもの。
つまりこの賞は、時代をことばで記録する文化的な年鑑とも言えるんです。


🗓 これまでの代表的な言葉たち

では、過去にはどんな言葉が選ばれてきたのでしょうか?
覚えているもの、懐かしいものもあるかもしれません。


💬「お・も・て・な・し」(2013年)

東京五輪招致プレゼンで滝川クリステルさんが使った言葉。
日本の“おもてなし文化”が世界中に広がった瞬間でした。
丁寧さや思いやりを表すこの言葉は、多くの人の心に残りましたね。


💬「今でしょ!」(2013年)

予備校講師・林修さんのCMから生まれた名フレーズ。
「やるなら今でしょ!」という言葉が、受験生だけでなくビジネスマンや主婦にも広まりました。
迷ったときに背中を押してくれるような、前向きな言葉です。


💬「そだねー」(2018年)

女子カーリングチームが使っていた北海道弁が全国で話題に。
あたたかくて、ゆるやかな会話のリズムが心地よく、“共感”や“チームワーク”を象徴する言葉になりました。


💬「50-50」(2024年)

大谷翔平選手の50本塁打・50盗塁達成にちなむ言葉。
スポーツの世界で前人未到の数字を表す言葉が広がり、努力と挑戦を象徴するフレーズとなりました。


💬「界隈」(2024年)

SNSで「○○界隈」という使い方をする若者が増えました。
趣味や関心ごとでつながる“ゆるいつながり”の表現です。
ネット時代の新しい“仲間の呼び方”として定着しました。


こうして見ると、どの言葉もその年の雰囲気や出来事を思い出させてくれます。
ニュースだけでなく、日常の会話にも影響を与えるのが「流行語」のおもしろいところです。


🌟 2025年のノミネートから見る“今どき”

さて、2025年のノミネート語が発表されました。
今年の候補を見てみると、社会の動きや人々の関心がよくわかります。
ここでは注目の言葉をいくつかピックアップしてみましょう。


🧸「ぬい活」

ぬいぐるみを“推し”として撮影したり、一緒にお出かけしたりする活動。
インスタやTikTokでは「ぬい撮り」投稿が大人気です。

若い世代のあいだで広がった言葉ですが、お孫さんやお子さんと一緒に楽しむ方もいて、年齢を問わず“癒やし”の象徴として愛されています。


💰「物価高」

食料品や生活用品、エネルギーなど、何を買っても高く感じるこの頃。
ニュースでも毎日のように耳にしますね。

家計を支える主婦の方から、若者、年金生活の方まで、誰もが実感している今年のキーワードです。
SNSでも「物価高で節約中」「値上げラッシュ」といった投稿が増え、生活感のある言葉として広まりました。


📺「オールドメディア」

新聞やテレビなど、昔ながらのメディアを指す言葉です。
今ではスマホでニュースを見たり、SNSで話題を知ったりする人が圧倒的に増えました。

「テレビ見ないから知らなかった」「SNSで見たよ」など、情報の受け取り方が世代によって違うのも、今の時代ならではです。


👩‍💼「女性首相」「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」

2025年、自民党総裁選や国会での発言がきっかけで注目されたフレーズ。
働き方や女性リーダーの存在など、社会全体のテーマを映しています。

仕事も家庭も頑張る姿勢に共感する声が多く、「働くって、やっぱり大変だけど大切」という思いがにじむ言葉ですね。


🪞 言葉から見える“いま”の日本

2025年のノミネートを通して見えてくるのは、変化のスピードが速い時代をどう生きるか、という問いかけです。

  • SNSや動画が中心の「情報の変化」
  • 物価や働き方など「生活の変化」
  • そして、“推し”や“ぬい活”のような「楽しみ方の変化」

どれも違うようでいて、実はつながっています。
人と人との距離の取り方、仕事との向き合い方、そして毎日の小さな喜び方が、時代とともに少しずつ変わってきたのです。


💭 ことばは、時代の鏡

1984年のスタート以来、新語・流行語大賞はその年の空気をことばで残してきました。

ニュースや流行、SNSの投稿の中から生まれた一つひとつの言葉は、その時代を生きる人々の感情や希望を写し取っています。

そして2025年もまた、「聞いたことある!」「意味をちゃんとは知らなかったけど、なるほど」と思える言葉が並んでいます。

あなたにとって、今年一番印象に残った言葉はどれでしょうか?
流行語をきっかけに、ことばで時代を振り返ってみるのも楽しいですね。

ちなみに、私は半分以上知らずに、今年一年どうしていたのかしらと思っているこの頃です・・・。取り残されない様にしなくちゃ!


📚 参考

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