今日は冥王星が惑星から外れた日
2006年8月24日、国際天文学連合(IAU)が下した歴史的な決定が天文ファンの心を揺さぶりました。この日、長らく“太陽系の9番目の惑星”とされていた冥王星は、“準惑星(dwarf planet)”に降格されたのです。この「惑星ではなくなった日」を記念して、今回はその理由と冥王星の魅力をやさしくまとめてみました。
惑星と準惑星の違いって?IAUが定めた“3つの条件”
IAUによる惑星とは、以下の3つの条件すべてを満たす天体です:
- 太陽のまわりを回っていること
- 自分の重力で丸い形(ほぼ球体)をしていること
- 軌道周辺を「きれいに掃除(=他の天体を排除)」していること
「準惑星」は、上のうち1と2は満たすが、3が満たされていない天体を指します 。
なぜ冥王星は準惑星に?
冥王星は、確かに太陽を回り、丸い形をしています。しかしその軌道上には、冥王星と同じような天体がたくさんひしめく「エッジワース・カイパーベルト」があり、冥王星はそこから他の天体を排除することができませんでした。そのため、“軌道掃除”の条件を満たせず、準惑星に分類されることになったのです 。
冥王星の詳しい情報もチェック!
- 大きさ:直径は約2,377 kmで、地球の約1/5のサイズ 。
- 表面と大気:氷に覆われた地形や、薄い大気(窒素・メタン・一酸化炭素など)を持ちます。
- 軌道の特徴:楕円で傾いており、公転周期は約248年、昼夜一日は約153時間。
- 衛星:5つの衛星があり、最大のシャロンはサイズが冥王星の半分ほど。冥王星とシャロンは“双子惑星”的な関係とも言われています 。
- 探査:2015年にNASAの「ニューホライズンズ」が接近し、“ハート型の模様”を持つ氷の平原など、美しい姿を初めて詳細に捉えました 。
地球との距離ってどれくらい?(豆知識)
冥王星は太陽系の最も外側にある、太陽を周回する天体で、地球との距離は、時期によって変動しますが、最も近い時で約42.8億 km(約2.66 億マイル)、最遠では約75 億 km(約4.67 億マイル)にもなります 。
光でも地球から冥王星へは最短でも約4時間45分、平均では約5時間かかります 。
1930年の発見以来、“太陽系の仲間”として親しまれてきた冥王星。しかし2006年8月24日、IAUは「軌道を掃除できない」という理由で準惑星に再定義しました。サイズは小さくても、氷や大気、衛星を持ち、まるで“小さな銀河”のように魅力あふれる存在です。地球から5時間かかるほど遠く離れていても、いまだに宇宙の神秘を教えてくれる特別な星。それが冥王星なのです。
東京では星は数えるほどしか見えないのに、それほど遠い星側からは、何を勝手なことを言っているのかしら?という声が聞こえてきそうですが、今日は冥王星に思いを馳せてみましょう。
NASA https://science.nasa.gov/dwarf-planets/pluto/facts/?utm_source=chatgpt.com
